簿記とは「帳簿に記す」こと、つまり企業の家計簿をつける方法や知識のことを言います。
簿記の知識があると、
- 会社の数字に強くなる
- 転職や昇進に有利
- 副業や独立に役立つ
と言った多くのメリットがあり、入門である日商簿記3級の検定には、年間約25万人もの人がチャレンジしています。
しかし、学んだことのない人にとっては、会社の家計簿を作るって結局どう言うことなのか、イメージしにくかったりしませんか?
今回は簿記知識ゼロの方や、これから学びたいと思っている方に向けて、
- 簿記ってどんなことを学ぶのか
- 学ぶことでなぜメリットがあるのか
こちらについてお話ししていきたいと思います。
この記事を見てチャレンジしてみたいと思った方に、少しでも力添えが出来たら幸いです。
自己紹介
最初に少しだけ自己紹介をさせてください。
私は高校在学中に日商簿記2級を取得し、卒業後からこれまでに約8年間経理の仕事に携わっています。
現在は1級取得に向け勉強中です。
高校は商業高校だったため、2級まで取得できたのは簿記のカリキュラムがしっかり組まれていたということもありますが、
簿記3級は高校生でも数か月で取れる程度の難易度ですので、この記事で概要だけでも掴んでいただけたらと思います。
簿記って何?どんなことを学ぶの?
それでは早速説明に移りたいと思いますが、最初にお聞きします。
あなたは家計簿をつけていますか?
最初に述べましたが、簿記とは企業の家計簿をつける方法や知識のことを言います。
家計簿をつけている人には伝わりやすいと思いますが、分かりやすくするために、まずは一般的な家計簿を例に挙げてみましょう。
- ひと月の収支
- 残高
基本的に家計簿は、この2つのことを把握するためのツールとなります。
詳しく見てみましょう。
例①ひと月の収支
- 給料が20万円入金
- 家賃や水道光熱費などで合わせて17万円の支出
- 差額として3万円が手元に残る
1つ目は収支を見るための家計簿です。
ご覧の通りとなりますが、お金がいくら手元に入ってきて、何にいくら使い、差額がいくら残っているか、
これを把握することが出来ます。
例②残高
- 財布の中に現在2万円
- 他に銀行口座や投資信託などを合わせると、合計で234万円の資産がある
2つ目は残高を見るための家計簿です。
こちらもご覧の通りですが、どこにいくら残っているのか、
これを把握することが出来ます。
簿記では2つの家計簿を作るための方法や知識を得られる
では、改めて簿記とは何なのか。何を学ぶのか。
結論を申し上げると簿記のゴールのひとつは、例に挙げた2つの帳簿を作ることです。
会社を経営していると、取引先から商品を仕入れたり、備品を購入したり、機械を修理したりなど、様々な用途でお金が流れていきます。
簿記はこのお金の流れについて、一般的に商売をすると、どのようにお金が流れるのか、
そしてお金が増えたり減ったりしたときに、どの帳簿にどうやって記帳していくか、
これらについて学んでいくことになります。
そして、その知識を活用し、最終的に2つの帳簿を作ることで、
お金を貸してくれる銀行や、投資をしてくれる株主などに、「うちの会社はこんなに健全な経営が出来ていますよ、将来性がありますよ」ということを示すことが出来たり、
適切に税金を納めることでき、税務署や世間にも健全さをアピールしたりすることが出来るというわけです。
2つの帳簿について
少し2つの帳簿について触れておきたいと思います。
簿記の用語となりますが、
例①に挙げた帳簿を損益計算書と言い、P/L(ピーエル)とも呼ばれるものになります。
こちらは、一定の期間(例えば1か月、1年など)にいくら収入と支出があり、いくら利益を残せたかを計算する帳簿です。
例②に挙げた帳簿を貸借対照表と言い、B/S(ビーエス)とも呼ばれるものになります。
こちらは、ある時点(月末、年度末など)に現金や預金がいくら残っているか、を把握するための帳簿です。
これらを合わせて、決算書と言います。
※厳密に言えば他にも帳簿があります。
会社を経営する上で決算書は必ず作らなければなりませんが、厄介なことに作成のためのルールというものがかなり細かく定められているのです。
そう考えると少しお堅く感じてしまいますね。
ですが、きちんと学んで2つの帳簿を作ることで、会社の現状を把握しやすくなり、
「今月はいくら稼げたから、もっと稼ぐために来月はこんな機械を買おうかな」とか、「今月使ったこの経費は無駄だったから、来月以降はやめよう」と言ったように、
経営の判断がしやすくなるというメリットがあります。
簿記を学ぶメリット
簿記を学ぶとどんなメリットがあるのでしょうか。
先程から少し書いていますが、会社を経営する上では、
- 帳簿を正確に作ることで社外へのアピールに使える
- 会社経営の判断や改善に使える
このようなメリットがありますが、個人としては冒頭で述べたようなメリットがあります。
- 会社の数字に強くなる
- 転職や昇進に有利
- 副業や独立に役立つ
こちらについて深堀していきたいと思います。
会社の数字に強くなる
簿記を学ぶことで、必然的に会社の帳簿を読み解くことが出来るようになります。
帳簿の作成にはルールが定められている、という部分は先程述べましたが、
逆に言えば、どの会社の決算書も同じルールで作成されている、と言うことになります。
つまり自分の会社だけでなく、他社の状況も帳簿を見れば分かるということです。
例えばあなたが株式投資をしたいのであれば、色々な会社を比較して、投資先を選ぶ判断基準として活用することが出来ます。
また、自分の家計のやりくりにも当てはめることが出来ますので、家計管理にも役立つことでしょう。
転職や昇進に有利
自分の部署ではどんな経費を使っているか、この得意先ではひと月でどれくらいの儲けが出せているのか、
そういった部署のお金の分析が出来ますので、簿記の知識を活用して結果に繋げることが出来ます。
そうすると昇進に有利に働きますし、そういった結果は転職にも言えることです。
副業や独立に役立つ
現在は副業もかなりしやすくなり、実際にしている人も多いのではないでしょうか。
副業で稼げるようになってくると、独立して起業しよう、といった思考にもつながります。
先程も述べましたが、
- 帳簿を正確に作ることで社外へのアピールに使える
- 会社経営の判断や改善に使える
会社を経営する上で、簿記はこういったメリットがあります。
もし独立を目指しているのであれば、3級くらいの知識でも十分に効果がありますので、勉強してみることをお勧めします。
最後に
まとめますと、簿記とは、
- お金の流れを学ぶ
- 2つの帳簿を作るためのルールを学ぶ
- 帳簿から業績などを読み取って、改善や投資に活用できる
このような知識となります。
学ぶことで自分の環境を大きく変えることもできる知識ですので、簿記に興味がある方や、迷っている方、ぜひチャレンジしてみてください。
やってみると、数字がバチっと一致したり、上手く帳簿が作れることがとても楽しいので、この記事がきっかけになれば、とても嬉しい限りです。
ちなみにですが、簿記3級を独学で取得したいのであれば、パブロフさんの教材がイラストや図解も多く分かりやすいです。
初心者向けにかなり優しく作られていますので、ぜひこちらも参考にしていただけたらと思います。
間違えた知識を付けないように、プロにしっかり教えてもらいたい、と言う方は、
クレアールの通信講座がおすすめです。
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3級は簿記の基礎ともいえる部分ですので、個人的には通信講座でしっかり身につけた方が、後々活用しやすいと思っていますので、ぜひ検討してみていただけたらと思います。
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今回の記事では、説明をする上で極端に言っている部分や、省いている部分がありますので、知っている人にとっては色々意見が分かれるかもしれませんが、ご容赦いただけますと幸いです。
また、分かりにくいところや、質問などあればぜひコメントください。
それでは、最後までありがとうございました。