ロジカルシンキングとは、物事を整理し、矛盾のない道筋を立てる思考法のことを言い、論理的思考とも言われます。
日常生活はもちろん、特にビジネスにおいて、ロジカルシンキングは非常に大きなメリットがあると言われますが、
- 古い本が多く何となく手に取りにくい
- 手に取ったものの書籍が堅苦しくて内容がよく分からない
- 結局どうやって活用したら良いか分からない
など、何となく敷居が高く挫折してしまった、諦めてしまった人も多いのではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて、
「40歳でGAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法(寺澤伸洋)」という書籍を元に、
仕事に取り入れやすいロジカルシンキングのポイントを紹介したいと思います。
これからロジカルシンキングを学びたいという方も、
入門書として分かりやすい書籍でしたので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
合わせて生活やビジネスに役立つ、読解力というスキルについてこちらもご参考ください。
最初に
私は物事を深く考えるということがあまり得意ではありません。
「これについてどう思う」と問われた時に、返答に詰まってしまったり何も思いつかなかったりと、頭の回転の悪さにコンプレックスがあります。
思考法について参考になる書籍を探していたところ、手に取った1冊でした。
書籍については少し紹介しますと、
著者の寺澤が若い頃、上司のNさんに教えてもらった経験や知識を、2人の対話方式で書かれているような形です。
前半はロジカルシンキングについて、中盤、後半では、会議をうまく回すコツや仕事術など、寺澤さんが学んだことがギュッと詰まっている書籍でした。
誰にも分かりやすい言葉で書かれていますので、数時間程度でさっくり読めますし、とても面白かったので、その一部をぜひ紹介させていただけたらと思います。
ビジネスで使えるロジカルシンキング
それではポイントについて解説していきます。
考える題材についてまず最初にすべきは、「全体像」を把握することです。
例として、「美味しいカレーの作り方」について考えていきましょう。
例:美味しいカレーの作り方
「美味しいカレーの作り方」を考えて、と言われたとしたら皆さんはどう考えますか。
恐らく多くの人は材料を切って、炒めて、煮込む、といったように、いきなり作り方を考えてしまうのではないでしょうか。
最初に少し述べましたが、一番最初にすべきことは「全体像」を把握することです。
美味しいカレーの全体像とは、例えば以下のようなことです。
- そのカレーは誰にとっての美味しいカレーなのか(ターゲティング)
- ターゲットに合わせた食材や調理器具などの準備
- 食べる場の準備・サービス(雰囲気等)
ターゲティング
一口に美味しいカレーと言っても、男性か女性か、または年齢層などによって千差万別となります。
20~30代の男性であれば、量は多めでガツっと食べたいかもしれませんし、
高齢者であればお肉は脂身が控えめな方が良いかもしれません。
また、どれぐらいの人数に提供するのかも大事な要素となります。
このように何かを提供する時は、どんな人に向けた商品なのかを考え、ターゲットを絞り込む必要があります。
万人に向けた商品は実はあまり売れなかったりしますからね。
準備
絞り込んだターゲットを基に、食材と調理器具やお皿などを準備します。
食材に目が行きがちですが、提供人数分のカレーを作れる鍋やお皿など、細かなところにも目を向けましょう。
カレーを作ったけれど食べられない人がいたり、作りすぎて過剰に余ったりしないように、気を配ることも大事です。
雰囲気
安いカレーでも高級レストランのような場所で食べたら、何となく美味しく感じる、と言うことも少なからずあります。
どんな場所で、どんな提供方法でサービスをするか、食べる場についても美味しいカレーを成す要素になりそうですね。
全体像が把握できなければ、相手を満足させることが出来ません。
様々な要素を洗い出し、明確にターゲティングすることで全体像を把握しましょう。
「考える」とは「要素分解」すること
一番最初に「全体像」を把握するとは言っても、実際やってみるとどう考えていけばいいか分からないと思います。
そこで「考える」ということについて深堀をしていきます。
ロジカルシンキングで言う「考える」とは、「要素分解」をすることです。
「要素分解」とは、「高い視点から見て大きな項目を洗い出す」ことを言います。
先程の「美味しいカレーの作り方」と言う例になぞると、
美味しいカレーを作るには、
- 材料が必要だな
- お鍋とか調理器具も必要だな
- ターゲットはどんな人にしようか
- 食べる場所の雰囲気も大事だな
このように、1番目に材料が必要と考えたとしても、「材料はお肉とじゃがいもと玉ねぎと…」といきなり材料について深堀をする訳ではなく、
材料と同列に必要な物事を洗い出すということが要素分解になります。
最初は横に話を広げて、思考の範囲を広げていく、これが「考える」ということです。
要素分解する際に意識する3つのこと
要素分解をする際には、3つのポイントを意識しましょう。
ポイントは以下の通りです。
- 視野を広げる
- 視座を高める
- 視点を増やす
1.視野を広げる
こちらはとてもよく聞く言葉ですね。
視野を広げるとは、情報を集める領域を意識して広げることです。
製造業界にいるから金融業界の話は不要か、と言われたら決してそうではないですよね。
自分の範囲外の分野にビジネスチャンスがありますので、アンテナを張って情報を収集し、それを活用しましょう。
2.視座を高める
鳥の視点からは全体が見渡せるが、蟻の視点では地面の一部しか見ることが出来ない、
このような視点の高さのことを視座と言います。
一朝一夕で付く力ではありませんが、例えば物事を考えるときに、
「上司だったらどう考えるだろう」、「社長だったらどう考えるだろう」と、意識して視座を変えながら熟考するクセを付けましょう。
3.視点を増やす
物事を一方から見るのではなく、多面的に見るということです。
例えば売り手の視点だけでなく、買い手の視点を持って考える、
話すときは聞き手の欲している情報が何かを考えるなど、
一方だけのメリットを考えるだけでなく、もう一方のことについても、その視点を持ち考えることが大事です。
まとめ
物事を考える際には、
①要素分解をし全体像を把握する
視野・視座・視点を意識
②要素を深堀する
このような手順でやると、より深い思考を得ることが出来ますので、ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
この他にも、書籍ではロジカルシンキングについてより深いことを学べますし、
内容が誰にも分かりやすく嚙み砕いてありますので、興味がありましたらぜひ手に取ってみてください。
最後までご覧いただきありがとうございました。